未来とホタルプロジェクト

『未来とホタルプロジェクト』の目的

鳥取県の西南端に位置する日南町には、「福が万と来る」と書いて「福万来(ふくまき)」と読む地区があります。福万来のホタルは全て野生のホタルで、ヒメボタルとゲンジボタルが同時かつ大規模に見られるという全国でも珍しいホタル観賞地です。

中でも、ヒメボタルは観賞地一帯に2万匹は生息していると鳥取大学の研究で明らかになったことから、私たちはここを日本最大のヒメボタル観賞地【福万来ホタル乃国(ふくまきほたるのくに)】と呼んでいます。

中国山地に囲まれている日南町は林業を基幹産業としており、ホタルの保護活動もこの林業と密接な関係があります。この自然環境を末永く後世に残すため『未来とホタルプロジェクト』と題し、以下のような取り組みを行います。

《本プロジェクトの背景》

日南町と鳥取大学とソフトバンク株式会社は、2020年8月21日に「中山間地域における課題解決およびSDGs推進に関する連携協定」を締結しました。

この協定に基づき、日南町および一般社団法人山里Loadにちなん、ソフトバンク社にて日南町のホタルの生育環境保護(生物多様性の保全)を目的とする『未来とホタルプロジェクト』に取り組んでいます。

日南町・鳥取大学・ソフトバンク連携

 

文化の発展に脅かされるホタルたち

川の汚染とともに姿を消すゲンジボタル

今日、全国的にホタルの数が減少傾向にあります。この「ホタル」と見聞きして多くの人が思い浮かべるのは、川の周辺をゆらゆら飛ぶゲンジボタルではないでしょうか。

ゲンジボタルが減少している要因として、中性洗剤の普及による河川の汚染やポイ捨て等による汚物の沈殿、さらに農薬や化学肥料の使用による蛍のエサ(貝類)の減少などが主に挙げられます。

また、ホタルにとって人工の灯りは刺激が強く、街灯や車のヘッドライトなど、暗闇を好むホタルにとって都市化や交通量の増加に伴い生息できる環境が少なくなってきていることも要因のひとつです。

繁栄を続ける都市部発展を続ける都市部

人の手が加わった杉林でしか生きられないヒメボタル

一方、福万来ホタル乃国では陸に生息するヒメボタルの多さが特徴ですが、ゲンジボタルよりも人工の灯りに敏感であるのと、間伐によって適度に人の手が加わった健全な杉林でしか生息できないため、ヒメボタルは全国的にも希少なホタルといえます。

福万来ホタル乃国も全国各地の傾向と比較して例に漏れず、ホタルは減少傾向にあります。それでも訪れる方々に「圧巻」と言わしめる数のホタルが生息しているのですが、地元に長くお住まいの方からすると「昔はもっと多かった」と口にされるほどです。

私たちはこの希少な自然環境を維持していくためにも、人の便利さと自然を守ることの両立を考えていかなければなりません。日南町ではその両立を目指しながら、次のような取り組みを行っています。

陸の豊かさも守ろうこのプロジェクトはSDGs No.15をサポートしています。

ホタルと人が共存できる環境づくり

福万来に生息するホタルたちは、日南町の山上地域(観賞地のある福万来地区は山上地域の中に含まれる)にて活動されている「山上まちづくりの会」の皆さんを中心に守られています。

ホタルの観賞地は地域の皆さんが日常的に利用される生活道(県道)で、ホタルの活動時期になると家の外に明かりが漏れないよう配慮したり、車のヘッドライトがホタルに当たらないよう期間・時間を決めて県道が通る観賞地内を車両通行止めにしたり、光がホタルに直接当たらないよう遮光ネットを設置するなど、まさにホタルファーストという取り組みを地域一体となって行っています。

さらに、ホタルの発生しない時期は観賞道の伐木による森林の手入れや草刈りを行うことで、ホタルも観賞に訪れる人も双方が快適なひと時を過ごせる『共存』できる環境づくりに取り組んでいます。

福万来ホタル乃国_遮光ネット設置

福万来ホタル乃国の応援方法

ホタルの生息環境を守り、生態系を維持していくために、誰もが参加できる3つの取り組みをご紹介します。

WEBから募金をして応援

ソフトバンク社が運用する「つながる募金」サービスを利用することで、ソフトバンク社のiPhoneやスマートフォンを利用の方はもちろん、ソフトバンク社以外のサービスを利用の方もクレジットカード払いによる寄付という形で活動を応援することができます。

ソフトバンクのスマートフォンをご利用の方は簡単な操作で少額から寄付でき、携帯料金とまとめてお支払いできます。

ソフトバンクのスマートフォンをお持ちでない方も、クレジットカード情報の入力で少額から寄付することができ、寄付を1か月、3か月、12か月と継続して期間を選択することもできます。

ソフトバンクつながる募金ソフトバンク社:「つながる募金」サービス

 

道の駅「にちなん日野川の郷」で買い物をして応援

鳥取県日南町にある唯一の道の駅「にちなん日野川の郷」では、福万来ホタル乃国に関連したグッズを販売しています。

Tシャツやフェイスタオル、ポストカードなど、それぞれの販売額の一部は福万来ホタル乃国での保護活動に使用される仕組みとなっています。

さらに、「にちなん日野川の郷」では全商品に1円分のクレジットが付与された寄付型オフセット(「カーボン・オフセット」の仕組みの詳細はこちら)商品として販売されており、買い物をすることで日南町の森林保全活動に貢献できる仕組みを全国で初めて導入しました。

道の駅「にちなん日野川の郷」を利用して、ホタルと日南町の森林保全に貢献しませんか。

詳細はこちら道の駅「にちなん日野川の郷」ページをご覧ください。

福万来ホタル乃国 関連商品

「福万来ホタル乃国」を観賞して応援

「福万来ホタル乃国」は毎年6月末頃から7月中旬頃までを『おもてなし期間』と称して、道の駅「にちなん日野川の郷」から観賞地までシャトルバスを運行したり、道の駅でも夜間営業を行います。

「福万来ホタル乃国」へご来場の方には、福万来ホタル乃国の環境整備に係る保護協力金(=入国料)をお支払いいただき、観賞することで福万来ホタル乃国を支援できる仕組みを整えています。(高校生以下の方は無料で観賞できます)

詳細はこちら「福万来ホタル乃国」ページをご覧ください。

福万来ホタル乃国 観賞地入口

 

日本の原風景が残るまち「鳥取県日南町」

中国山地の1,000メートル級の山並みを縫うように位置し、森や清流の恩恵を肌で感じられる自然豊かな町です。鳥取県の一級河川「日野川(ひのがわ)」の源流を有し、特別天然記念物であるオオサンショウウオを日常で見かけることも珍しくありません。

町全体が中山間地域であることから、昼夜の寒暖差が大きく、濃厚な旨みが凝縮されていると好評な水稲やトマトが町の特産品です。

古くは「たたら製鉄」や「クロム鉱石」など鉄鉱業が盛んな町でしたが、時代の流れと共に姿を変え、現在は高性能機械を用いた林業が町の基幹産業です。

2019年に開校した日本最大の演習林を有する「にちなん中国山地林業アカデミー」には毎年全国から林業を学びたい若者が集い、I・J・Uターンによる転入者が増加傾向にあります。

日南町の景色

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